都会の夜空は明るい星しか見えないけれど、
晴れた夜には、ちょっとだけ足を止めて空を見上げてみませんか。

2012.12【223】★カノープス
りゅうこつ座のカノープスという名前の星をご存じですか。
地球から見える恒星(太陽を除く)の中では、おおいぬ座のシリウスに次いで2番目に明るい星です。
しかし、本州からだと南の空低くに昇り、すぐに沈んでしまうので、なかなか見ることができません。このため、ひと目見たら長生きできるおめでたい星とされ、「南極老人星」などと呼ばれているのだそうです。
2月上旬なら21時頃、南に見えるシリウスのずっと下、水平線や地平線あたりに注目してみてください。
先日、観望会「星空案内 in西宮ガーデンズ」でのクイズ大会でもカノープスに関する出題があって、芦屋浜で撮影された写真を見せていただきました。私も、カノープス観察に挑戦してみようかな。

2012.11【222】★木星
冬の夜空には1等星が多く見ごたえがあるのですが、今はマイナス3等の木星も加わって、さらににぎやかになっています。晴れた夜、空を見上げてみてください。きらめく星座の間で、ひときわ明るく目立っているのが木星です。ローマ神話の神々の王、ジュピターと呼ばれるだけあって、堂々とした輝きです。
木星はご存じのとおり、地球と同じく太陽を回る惑星です。自分で光を出しているのではなく、太陽の光を反射して輝いています。直径は地球の約11倍もあり、主にガスでできた巨大な星なのだそうです。
天体望遠鏡を使うと、表面の縞模様や、4つの衛星(ガリレオ衛星)を観察できます。双眼鏡や小さな天体望遠鏡(口径5cm程度)でも、条件がよければ見ることができますよ。

2012.10【221】★ふたご座流星群
一晩に見ることのできる流星の数が年間で最大といわれるふたご座流星群。その極大(ピーク)は12月14日未明です。当日は月明かりがないので、お天気さえよければ好条件で観察できそうですよ。最良の条件がそろった場所なら、1時間に50個以上見えると予想されています。市街地なら何個見えるかな。
14日でなくても、ふたご座流星群の出現期間は12/5〜20ころですから、この期間に夜空を見上げれば流星を見つけられるかも。目が暗さになれるまで、しばらくがんばって観察してみましょう。
街の明かりの影響が少ない、空が暗いところのほうがよく見えるのですが、観察にでかけるときは周囲や足もとに注意して、そして防寒対策を忘れずに!

2012.9【220】★11月28日 半影月食
「半影月食」って、あまり聞いたことのないことばですね。「半影」とは、光が全く当らない「本影」の外側の薄暗く見える部分のこと。太陽の光を受けてできる地球の影にも半影はあります。
つまり、「半影月食」は月が地球の半影の中を通る月食なのです。月が欠けて見えるわけではなく、表面がほんの少し暗くなる程度なので、注意して観察しなければわからないほどです。
半影月食は21時13分に始まり、23時33分、最大になります。ちょっぴり暗い満月にみんな気づくかしら?
ところで、オーストラリアのケアンズ周辺では11日14日に皆既日食が見られます。世界中から大勢の天文ファンが訪れることでしょう。私も見に行きたいなあ。

2012.8【219】★秋の四辺形
お彼岸を過ぎると、やっと秋の入口にたどりついた気がしますね。
夜空でも夏の星座がまだまだがんばっていますが、その東にはちょっと控えめな秋の星座たちが昇って、静かに季節の移り変わりを教えてくれます。
その星座を探す目印のひとつが「秋の四辺形」。10月半ばであれば22時ころ、頭上を見上げてみてください。4つの星を結んでできる大きな四辺形が見えると思います。ペガスス座の一部でもあるこの四辺形を手がかりにすると、アンドロメダ座、ペルセウス座、うお座などの星座を見つけやすくなります。
星座の位置がわかると、夜空をながめるのがちょっと楽しみになるかもしれませんよ。

2012.7【218】★十五夜(中秋の名月)
みなさん、ペルセウス座流星群、金星食はご覧になれましたか。お盆前後の西日本は不安定なお天気で、残念な思いをした人も多かったかもしれません。
さて、旧暦の8月15日は十五夜。2012年は9月30日がその日にあたり、満月となります。…え、十五夜は満月に決まってるって? いえいえ、実は毎年違っていて、満月になるほうが少ないのだとか。これは地球と月の公転軌道が原因で、実際は1〜2日ずれていることが多いのです。
昔から人々は月が雲や雨で見えなくても「無月(むげつ)」、「雨月(うげつ)」と呼んでその風情を楽しんできました。十五夜には、晴れても曇ってもちょっぴり空に思いを巡らせてみたいものですね。

2012.6【217】★「ペルセウス座流星群」「金星食」を見よう!
三大流星群のひとつで、明るい流星が多いペルセウス座流星群は8月12日(日)21時に極大を迎えます。今年は条件もよく、いくつ見ることができるか楽しみです。日暮れ後、ペルセウス座(放射点)が低い位置にある時間には長い流星が見られるかも。願いごとをするにはいいですね。
日本で見られるのは23年ぶりという「金星食」。 8月14日(火)、夜明け前の東の空で、「明けの明星」金星が細いお月様に隠されてしまいます。夜明け前…といっても2時40分過ぎから3時半ころまでの現象なので、今年の夏の思い出に、眠いけどがんばって観察というのはいかがでしょう。
今年、日本で「金」の文字がつく珍しい天文現象が見られるのはこれで3つめ。五輪でも、目指せ「金」!

2012.5【216】★さそり座のおはなし
「さそり座」の名は、星に興味のない人でもご存じかと思います。7月上旬の21時ころ、南の低い空に大きなS字型を描くように並ぶ星が見えるはず…なのですが、地上の光が多い阪神間では少し見づらいかもしれませんね。サソリの尾の部分が釣り針の形に見えるので魚つり星とも。さそり座でいちばん明るく、赤く輝く1等星はアンタレスです。南西の空に見える火星と赤さを競っているかのようです。
ギリシャ神話では、粗暴でうぬぼれ屋の狩人オリオンをこらしめるために、女神ヘラが送りこんだサソリとされています。その毒針に刺されて死んでしまったオリオンは、サソリを恐れ、星座となった今も天にさそり座が見える間は隠れているのだとか。

2012.4【215】★6月4日 部分月食 ★6月6日 金星の太陽面通過
5/21の金環日食は見ることができましたか? 天体ショーはまだ続きます。
6/4の部分月食は、19時ころ月の出の直前から欠け始め、20時過ぎに最大食となり月の直径の3分の1ほどが地球の影(本影)に入ります。部分食の終わりは21時過ぎです。
6/6の金星の太陽面通過は、太陽を金星が横切っていく珍しい現象。7時10分過ぎから6時間半続きます。次に見られるのは105年後だとか。太陽を見ることになるので、日食同様、裸眼での観察は厳禁です。専用の器具を正しく使いましょう。日食観察メガネを使って観察すると、太陽の表面を小さな黒い丸(金星)が移動していく様子が見えるかもしれません!

2012.3【214】★5月21日(月)の朝、金環日食が見られます
太平洋側の広い地域で、金環日食が観察できます。
日本で金環日食が見られるのは1987年の沖縄以降、25年ぶりだそうです。
金環日食は太陽・月・地球が一直線上に並んだときに起こります。皆既日食では太陽の前を横切る月が太陽を完全に覆い隠してしまいますが、金環日食は月のみかけの大きさが太陽より少し小さいために覆いきれず、まわりにはみだした太陽がリングのように輝いて見えるのです。
西宮・芦屋では午前6時17分頃から太陽が欠け始め、7時30分をはさんだ約2分間、中心が少し偏ったリング状態となります。木もれ日も輪っかになるんですって。ぜひ観察してみて。
注意! 裸眼での観察は絶対にやめましょう。太陽の光は強烈です。目を痛めたり、失明する危険があります。必ず日食メガネなど専用の器具を使用し、直接太陽を見ないようにしてくださいね。

 

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