第6話 熊野神社



 南北朝に始まる瓦林城のあった村落が発生した頃、応仁の乱以前から存在していたとも考えられています。古くは、「若王子の宮」と称され、明治初年ごろ「熊野神社」と改められました。
 神社は暴れ川であった武庫川の影響をうけた境内には大きな松が林立。マンション群に囲まれながらも、厳かな空気をかもしだし、西宮市の景観樹林保護地区に指定されています。

 国内唯一の数学の神社「算学神社」が祀られている熊野神社は、JR甲子園口駅から北へ徒歩約8分の静かな住宅街にあります。
 算学神社は、現存する日本最古の数学書で何度も復刻された「割算書」を表した江戸時代の数学者・毛利重能の功績を称えたもので、「割算書」の刊行350年となる1972年に「割算天下一重能」と書かれた顕彰碑を和算の研究者、珠算関係者、西宮市の方々の協力により建立。その後、神社が建てられました。重能は武庫郡瓦林、現在の熊野神社近くに住んでいたそうです。
 毛利重能はそろばんや和算を広め、日本の数学の祖とも言われています。弟子の吉田光由が著したそろばん指南の数学書「塵劫記」は当時のベストセラーでした。




宮 司
 宮崎 浩史さん
 日野神社宮司を兼任する博学の宮司さん。「記紀講読会」を月2回水曜日に開催して解りやすく神道を説いています。
 また、西宮まちたび博では、〔宮パワーを実感! 宮司とめぐる「瓦木五社巡礼」12月8日開催・受付終了〕の案内もされます。



熊野神社
西宮市熊野町3-26 
TEL.0798-67-8141

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