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 ビジネス街に現れて一年、しっかりと街に根を下ろして、通りの名物になりつつある「ゆげ焙煎所」。イタリア製の焙煎機がドドーンと置かれたコーヒー屋さんです。レトロ感あふれるビルの窓から見る街への思いを31歳のオーナー・岡本さんに伺いました。

 「ゆげ」は「湯気」ですか?

そうなんです。僕の名前と思われたりするんですが、「コーヒー」が立てる湯気のことです。店名を考えた時に、何より外来語的な名称ではなく、日本語の名前を付けたかったんです。つけてみて、案外アルファベットにしても座りのいい名前になったことに気付きましたが、ひらがな2文字の「ゆげ」は、ここで5年10年と商売をし続けて、いつか老舗になれた時にも、誰にもわかりやすい名前にしたかったから。じっさい、店の前を歩く子供さんが「ゆげ!」と指さして通り過ぎていくのがうれしいですよ。
 それと、湯気が成り立つための条件があるんですね。水蒸気が温度差のあるところで冷却されると目に見える湯気になるんですが、「冷たいもの」と「温かいもの」両方があって初めて成り立ちます。また、分子が1つだけでは湯気になれません。「1人じゃできない。いろいろな人・モノが出会うところ」というのが大きな柱ですね。

 ビルの古さを上手に活かしたショップですね。

 この通りは、西宮の中心のビジネス街ですから、生活を支えている人がたくさんいる場所なんです。しかも外部からわざわざ来る人の多いエリアで、街にポテンシャルの高さを感じました。ここでは、がんばっている人を応援したい。街を歩いている人を大切にしたいと思いました。
 店舗を作るときに、できるだけシンプルにしたかったので、窓枠はそのまま利用したかったし、床も古い床を剥がしただけにしました。新しい窓枠にするよりかえって手間がかかったはずですが、デザイナーが「これから実態を作っていくんだね」と言ってくれるような、なかなかいい味の空間になりました。
 もともとコーヒー豆の販売店ですから、当初は大きなテーブルが1つあるだけで、椅子の種類もバラバラ。相席でも、それぞれご自分の居心地の良さを見つけて、座っておられますね。

 コーヒーのPRをどうぞ!

 産地と直接取引している方から買わせていただいて、ブレンドしています。定番のハウスブレンドの他に、11月のオリジナルブレンドに、「おやつブレンド」と「冬じたくブレンド」を作ってみました。文字通り、スウィーツと一緒に味わっていただいたり、秋の夜長にゆっくり楽しんでいただけたらと思って作りました。お客様からいろんなヒントをいただきますし、皆さんも小さなことに喜んでくださるので、一緒に新たなことに挑戦していきたいと思っています。

 「冬じたくブレンド」を夜のくつろぎタイムに淹れてみました。岡本さんが話してくださった楽しいエピソードを思い浮かべながら、ほっこりしあわせになれましたよ。


西宮市櫨塚町3ー10ー1F
TEL:0798・20・8302


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