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 JR・さくら夙川駅前にある「あとりえ洋夢」を訪ねました。かわいい工房に、サンドブラストのガラス工芸品や粘土で創られた草花が満開。いずれも作品の端々まで行き届いた心の感じられる繊細な作りです。

 いつからこのアトリエを?

 30年前に、ガラス工芸品の作品展でサンドブラストに魅せられて、「私も作ってみたいなあ」と習い始めたのですが、飾るだけの工芸的なものより使って親しめる身近なものを創ろうと思っていました。もともとは仕事にするつもりではなかったんですが、阪神大震災で家業が大ダメージを受けた時に、「自分にができることをやろう」と、岡本でアトリエをスタートさせました。
 その時に背中を押してくれたのは、当時大学生だった息子の言葉でした。「お母さんは今まで石橋を叩いて渡らなかった。これからは叩かずに渡って、決して後ろを振り向くな」と。その言葉に支えられて、今まで続けてきました。
 昨年、さくら夙川に移転してからは、さらに仕事の幅が広がりました。

 創芸草花ですね

 これもガラスがきっかけなんです。知り合いが捨てようとしていたガラスをもらってきて器に加工してみました。生命をつないだ器だったので、つくしやふきのとうなど、野にある花を粘土で創って飾ってみたら、たくさんの人が喜んでくださって、「創芸草花」という名前までいただきました。

 まるで生きているように見える「創芸草花」。手間がかかりますね
 
 まず花と向き合います。自然界の草花は一つとして同じものはありませんから、花弁や葉の一枚一枚、雄しべや雌しべの一本一本をよく観察してていねいに創ります。繊細な部分は自分でコーンスターチを加工した粘土を作って制作することもあります。大量生産はできませんし、確かに手間はかかりますが「香りが感じられる。お水をあげたくなる」と言ってくださる方もあって、創りがいがあります。ただし、お水には弱いのであげないでくださいね(笑)

 ありがとうの5文字を漢字1文字で表した作品もおもしろい!

 たくさんの方にお世話になって、何かお返しをしたい。でも自分にできることは限られているし。と、いろいろ考えていた頃に、「あなたの作品を飾ったらいいことがいっぱいあった」とか「お客様が絶えない」と言われることが多くなって、「ありがとう」の気持ちがますます高まりました。そんな時に「喜」「夢」「幸」「愛」の4文字に「ありがとう」を入れることができました。みなさんの夢がどんどん叶うようになっていただきたいという思いをこめています。さらに、「笑」の文字の中にもカタカナで表すことができたんです。この5文字をガラスの作品やアクセサリーに装飾することも仕事になりました。
 今は、お返しというより「恩送り」のつもりで、お仕事をさせていただいています。ちょうど本日から作品展を行いますので、ぜひ一度足をお運びください。

●あとりえ洋夢の仲間による作品展「こころがなごむ身近に愉しむガラスアート!!+創芸草花」は、5月26日(月)〜6月1日(日)まで、朝日新聞社阪神支局(西宮市与古道町1-1)3階ギャラリーで。


西宮市神楽町11−20−103
TEL:090−5648−5586


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