2月の初めに1週間病院を閉めて改装した。普段手にしている注射器やメスをペンキのハケや壁のひび割れをうめるコーキング剤に持ち替え、頭には手術用の使い捨て紙帽子、顔には紙マスクで、獣医師も看護師も大工さんたちと奮闘。普段使わない腕の筋肉痛になってヘロヘロだった。阪神大震災の年に完成した建物だから、17年の歳月の傷みがあちこちに滲み出ていて、この修繕は実に3年来の私の念願の計画だったのだ。
　壁を塗り替え、床を張り替え、電燈を変え、天井を張り替えた。全ての作業が終了し、原状復帰となった時、誰とはなく、きれいになった壁に穴をあけたくないよねという話になり、掲示物は壁に跡の残らないテープを使うことになった。
　この改装工事で得られたのはきれいになった職場だけではない。職種を越えて一緒に作業したことは私たちの一体感をさらに強め、大きなチームワークが育まれた。実はこれから診療をしていくうえでこれが最も大きな成果かもしれないね。

ク−パー動物病院　 http://cooper-net.jp/